糖質は、ごはん・パン・麺類などの主食、お菓子、清涼飲料水などに多く含まれている成分。
人が活動するための大事なエネルギー源ですが、過剰に摂ってしまうと、中性脂肪となって脂肪細胞の中へ取り込まれてしまいます。
この作用を抑えてダイエットに活用するのが「糖質制限ダイエット」。
ただ、ダイエット中に大好きなパンやスイーツが食べられなというストレスが、その後のリバウンドにつながってしまうことも。
そんなストレス&不安を解消してくれるのが、針中野にある「パン・ブエノ(pan bueno)」。
なんと一般的なパンやスイーツと比べると、糖質は約80~88%オフなんだそう!
また、糖質制限しなくてはならない糖尿病の方の「食べられない!」というストレスにももちろん応えてくれます◎
どんなパン&スイーツを買うことができるのでしょう?実際に見に行ってきました!
針中野の閑静な住宅街にあるお店
近鉄南大阪線「針中野駅」下車徒歩3分。
大通りを裏手に入った閑静な住宅街の一角に「パン・ブエノ(pan bueno)」はあります。
(目印は、お店2階部分に見える濃紺の看板です◎)
訪問当日は、オーナーあさぎさんにパンの魅力を詳しく教えてもらいました^^
糖尿病のためにつくり始めた低糖質パン
あさぎさんは、ご自身が糖尿病だとわかったことから「パン・ブエノ(pan bueno)」を開店し、低糖質パンとスイーツの販売を始めました。
「糖尿病」とは、血糖値を下げるインスリンというホルモンの働きが悪くなって、血液中を流れる糖が高いままの状態(高血糖)になる病気。
高血糖の状態でいると、心筋梗塞・失明・肝機能低下などさまざまな合併症が引き起こされてしまいます。
また、糖尿病は1型と2型に大別されます。
1型は、すい臓でβ細胞が破壊されインスリンがすい臓で作られなくなることで発症します。
急激な場合が多く、幼い子からお年寄りまで幅広い層で発症するのが特徴。
治療はインスリン注射で行います。
2型は、遺伝・肥満・運動不足などを原因に高血糖値となり発症します。
徐々に進行するため自覚症状がないのが特徴。治療は食事・運動・薬物によって行います。
あさぎさんは1型の糖尿病のため、わずかに残ったインスリンの機能を活かしながら生活しているそう。
あさぎさん:「仕事中も喉が渇いて仕方なくなって。おかしいなと思って病院で血液検査をしたら、糖尿病だとわかりました。その後すぐに入院することになったんです。“ケトアシドーシス”って、体の血糖値が異常に高くなって昏睡状態になったまま死んでしまうよと言われました」
糖尿病は無自覚な人も多く、現在日本で2000万人近くの人が罹患している可能性があると言われています。
なんだか他人事じゃない感じがしますよね。
あさぎさん:「自分が糖尿病だとわかってから、このお店をすることを1年内に決めました。病気になって落ち込んでても仕方ないし、前を向くにはどうしたらいい?って考えて。あれこれ迷って自分の気持ちが揺らぐのも嫌だったし、迷うなら一気にお店を開いてしまおうと思いました(笑)。それと、高雄病院理事長の江部康二先生が監修された「江部粉(えべこ)」を知ることができたことが大きいと思います。この粉を使ったパンを食べた時、これだったらふつうのパンと同じように、おいしく食べてもらえると思ったんです」
「江部粉(えべこ)」とは、高雄病院理事長の江部康二先生が監修された糖質制限パン用ミックス粉。
糖尿病である江部先生自らの血糖値を測定しながら、試行錯誤の末開発した粉だそう。
イングリッシュマフィン 糖質4.4g
画像は、「イングリッシュマフィン」をスライスした状態。
カボチャとアマニの種が生地に練り込んであるのが見えます。
フワッとした弾力があり、焼き色もこんがり。
小麦粉で焼いたパンとなんら変わらない見た目です。
食感はもちもち&しっとり。
あさぎさん:「『江部粉(えべこ)』にこんにゃく粉がはいっているので、もちもちっとした食感になるんです」
なるほど!このもちもち感はこんにゃく由来なんですね。
カボチャとアマニの種の香ばしい風味と合わさって、噛めば噛むほど美味しさが広がっていきます。
精進料理がひとつの料理カテゴリーとして確立されているのと同じように、ブエノのパンも代替品の域を超えたおいしさを確立しています。
円形がかわいいので、フレンチトーストにしてみました☆
生地がしっかりしてるので、前日卵液に浸して翌朝焼くくらいがちょうどいいかも。
パンに風味があるので、そのまま何もかけなくてもおいしく食べれました。
レバーペーストやクリームチーズを添えるのもオススメです。
あさぎさん:「チーズやハムをはさんだり、夕ご飯に作った余りのハンバーグを挟んでみたり。いろいろ活用できると思います!」
ロールパン
あさぎさん:「ロールパンは、シナモン、ココア、カレーの3種用意しています。こういう感じの、飽きの来ないスタンダードなパンを充実させていきたいと思っています」
ココアロール 糖質2.8g
画像はココアロールにアボカドとツナのサンドしたもの。
あさぎさんおすすめのアボカドとクリームチーズをサンドしてもココア生地と合いますよ☆
あさぎさん:「日本食って、あっさりしているからヘルシーっていう印象なんですが、実は糖質が高いんです。醤油、みりん、砂糖、ポン酢、粉末だし。調味料関係には全て糖質が含まれます。なので、糖質制限を考えている方は、調味料を変えてみることも大切だと思います」
っというアドバイスがあったので、ツナに塩コショウをしてシンプルに味付けしました。
ツナの旨味があるので十分おいしいです◎
また、スイーツ仕立てにする場合は、たっぷりの生クリームをサンドするのもオススメだそう。
シナモンシュガーロール 糖質2.9g
スイーツ仕立てにしたかったので、スーパーで売っていたチーズムースをサンドしてみました。
(おいしいですが、これは糖質ありのアレンジです)
あさぎさん:「シナモンがほんのり香りますよ。そのまま召し上がっていただいたり、リンゴの薄いスライスやバナナだったら3切れくらいをサンドしてもいいと思います」
ハリネズミチョコチョコ 糖質4.4g
パンの中にカカオ72%のチョコを入れた「ハリネズミチョコチョコ」。
名前もビジュアルもキュート♡
高カカオのチョコレートを使うので、低糖質に仕上げることができるのだそう。
アーモンドチョコ 糖質4.5g
カカオとアーモンド香る「アーモンドチョコ」。
表面のつやっとなめらかな舌ざわりや、ツイストした生地の食感が楽しい♫
あさぎさん:「天然甘味料 “ラカント”を使うので、低糖質なスイーツパンを作ることができます。アーモンドスライスの香ばしさも楽しめるパンですよ」
シナモン 糖質3.7g
心地よく弾む食感の合間から、シナモンの上品な香りが溢れ出す「シナモンロール」。
ミルクティーなんかと一緒にホッとひと息つけば、ダイエット中でもおやつタイムを満喫できます♪
酒粕パン(黒豆) 糖質3.9g
「江部粉(えべこ)」をベースにした生地に、酒粕を加えて作った「酒粕パン」。
画像のパンの中には、蒸し黒大豆が入っています。
あさぎさん:「酒粕を入れることで、発酵食品ならではの味わい深さが加わっていると思います(*^^*)」
カットしてみるとこんな感じ。
黒大豆がしっかり入っています☆
酒粕パン(あずき)糖質3.9g
「江部粉(えべこ)」をベースにした酒粕パンをつかい、小豆を中に包んだ「酒粕パン(あずき)」。
あさぎさん:「小豆は黒大豆に比べて糖質が高いので、中に入れるのは10粒程度です。食感や味わいのアクセントに小豆を感じてもらえるといいと思います」
スフレチーズケーキ(1/8カット)糖質1.8g
パンのほか、スイーツも充実している「パン・ブエノ(Pan Bueno)」。
画像のスフレチーズケーキの糖質は、なんと1.8gだというから驚き!
(ちなみに一般的に売られているショートケーキの糖質は約28.5gだと言われてます)。
口の中に入れると、フワっと溶けるように舌になじみ、優しくなめらかな味わいが広がります。
あっさりした後味が心地よく、食べ終わった後なんだか心が穏やかな感じになります。
実際、血糖値の乱高下が抑えられるので、精神的な安定も期待されるのだそう。
あさぎさん:「糖尿病の方だったら、糖質が低いので、食後に追加のインスリンを打つことなく召し上がっていただけると思います。糖質制限ダイエットをされている方だったら、どうしても甘いものが食べたい!っていう時にストレスを抱えることなく召し上がっていただけると思います。私自身が、そういう想いで作ったっていうところがあるので(笑)」
ガトーショコラ(1/8カット)糖質1.3g
カカオのコクのあるしっかりした味わいを堪能できます。
アクセントには、クルミの香ばしい食感をプラス。
クッキー(1袋)糖質1.7~2.4g
サクッ、ホロホロッとした食感がクセになる「パン・ブエノ(Pan Bueno)」のクッキー。
個人的にこのクッキーの食感にハマってしまいました。
あさぎさん:「このクッキー、何の粉で作ってると思いますか?実は高野豆腐の粉末なんです。小麦には出せない味わいになっていると思います。味は、プレーン、紅茶、ココア、珈琲、抹茶の5種あります。夏場は冷凍庫で凍らせて、アイスクッキーにするのもオススメです」
高野豆腐!だからおからクッキーとはまた違う味わいなっているんですね。
何かちょっと口さみしい時のために、このクッキーを常備しておきたい気持ちになりました。
パンもおいしいんですが、このクッキーもめちゃくちゃおススメです。
あさぎさん:「私にはほんの少ししかインスリンは残っていませんが、生活に気を付ければこのまま食前や追加のインスリン注射をしなくて済む生活ができるかもしれないと思っています。今は、糖質の高い食べ物は極力避けた食生活をしているおかげで、夜に持続性のインスリン1回だけで済んでいます。入院したとき、食パンやバナナが普通にでてきたんです。糖尿病なのに大丈夫なのかなって聞いたら、“インスリン打って血糖値をもとに戻すからいいんです”って言われました。でも私には、高くなった血糖値を注射でコントロールすることの方がしんどくて。」
あさぎさんの言葉から、好きなものを好きなように食べられるというのは、じつはとてもありがたいことなんだと改めて気づかされました。
パンを自由気ままに食べられる、それってすごく幸せなことなんですね。
お客さまへひと言メッセージ♫
あさぎさん:「お店をオープンさせてから3年目になりました。店舗外で販売したり通販をしてみたり、だんだんと売り先も充実してきました。今は、この店のために関わってくださった方たちに恩返しになるようなことができればと思っています。先日、糖尿病のご主人の前で、パンや麺類を食べたりするのが気が引けて…っていうお客さまがいらっしゃいました。どうしたらいいかって悩まれていたので、いろいろ低糖質食についてお話させてもらいました。これも恩返しの1つになるのかなって思っています。私の人生、年齢的にもあと何十年って生きられるものでもないし…。人生を終えるまでに、こうしたパン作りを通じて低糖食の良さを、広めていきたいと思うんです。『パン・ブエノ(Pan Bueno)』のパンやお菓子をきっかけにして、低糖質食をたくさんの人に知ってもらえたら嬉しいです^^」